前回、液晶パネルをこじ開けるところまで紹介しましたので、今回はその続きです。
今回購入したパネルはホームボタン、フロントカメラと受話スピーカーも全て実装済みの物なので、新しい液晶パネルを接続し直せば修理完了のはずです。
ちなみにフロントパネルに付属するカメラなどのモジュールは同じドライバーを使用して簡単に外す事が出来たのでわざわざ実装済みの物を購入する必要はなかったように感じました。
割れた液晶パネルの交換
コネクタ押さえの取り外し
そして、完全に液晶パネルがケースから外れてもいきなり大きく開かないように注意します。※液晶を接続するケーブルはコネクタを押さえる為のプレートが付けられているためあまり遊びがありません。
次にコネクタを押さえているプレートを外します。
ここは本来000番の+ドライバーを使用するそうです。
ちなみに付属のドライバーもネジに合わせて見ましたが先端の精度が悪すぎてネジ山にきちんと掛からない感じがしました。
これはパネルをきちんと開けない状態でネジを回す必要があるため、ドライバーをネジに対してまっすぐ押し当てる事ができないためでもあります。
このような状況ですので、結局きちんとしたドライバーを借りて外すことにしました。
※写真のドライバーは磁化されていないので手元にあった磁石を軸に付けています。
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プレートを固定しているネジは3箇所でこれを外すとプレートも外れ、ケーブルのコネクターが外せるようになります。
コネクタは3つあり、ケーブルも重なっているため、上のケーブルのコネクタからはずします。
コネクタを外す際は爪などでも外せますが最初は慎重に付属のレバーのような物をコネクタの脇に引っ掛けて丁寧に外すようにします。
どうやらこのコネクタはダメージを受けやすいらしく、何度も付け外しを繰り返していると接触が悪くなり、液晶自体が問題なくとも液晶表示に滲みが出たりノイズが出たりするようになることがあるらしく扱いを丁寧に行っておくに越した事はないそうです。
コネクタを3箇所外し終えると液晶パネル一式が完全に分離します。
続いてパネルを取り付けます。
コネクタの接続
取り外しは問題なくできたため、取り付けは簡単に出来るかと思っていましたが、思ったより手こずりました。
問題点は次の3点でした。
・コネクタの押さえプレートを所定の位置に乗せる時は液晶パネルを少し閉じた状態にしなければならない。
・更に新品パネルのケーブルは折り目がついていないため余計に閉じた状態にする必要がある。
・液晶パネルが被さって窮屈な状態で小さなネジをネジ穴に乗せるのが難しい。
新品パネルのケーブルの折り目はパネルをきちんと閉じた時に付くもので、予め癖をつけて位置がズレるとコネクタなどにも負担がかかりそうですので出来ません。
仕方がないのでこのような場合は他の人の手を借りましょう。
液晶パネルの接続
ケーブルに折り目がついていないためパネルが開ききった状態でコネクタを接続します。順番は分解した時の逆になります。もちろんコネクタは無理に押し込んだりせずに丁寧にはめます。
接続したコネクタが抜けないように指で押さえた状態で、液晶のケーブルに極力負担をかけないように曲げながら液晶パネルを少し閉じた状態にします。
※この状態で保持できるように他の人に手を借りると作業が多少しやすくなります。
※手が足りずここは写真が撮れませんでした。
コネクタ押さえの取り付け
ネジを取り付ける際には使用するドライバーによってやり方を少し工夫する必要があります。
◆磁化しているドライバーを使用する場合
磁化しているか、もしくは軸に磁石を付けたドライバーを使う場合はドライバーの先にネジをセットしておきます。
その状態でネジを落とさないようにネジ穴に差込みそのまま締めこみます。
◆磁化していないドライバーを使用する場合
コネクタ押さえのパネルを所定の位置に載せてネジ穴にネジを乗せます。
この際にはピンセットでネジの頭をつかんであとはネジを締めるだけの状態にしておく必要があります。くれぐれもピンセットでつかみ損ねてネジを無くさないように細心の注意を払います。
その後、磁化していないドライバーを使ってネジをはじき飛ばさないように注意しながら締めこみます。
パネルの位置がずれやすいため先ずは作業がしやすい一番下のネジを軽く締めこみます。他のねじ穴がパネルの穴と合うように位置を調整して最初に付けたネジを締めこんでパネルがずれないようにします。
その後、残りの2本のネジを軽く締めこんで、コネクタが外れない程度にネジを締め込みます。
この状態で一旦パネルを軽く閉じて(まだはめ込みません)ケーブルに軽く折り目をつけます。再度パネルを少し開いてネジを元通りきちんと締めます。
液晶パネルのはめ込み
液晶パネルは画面上側にアルミの本体ケースのくぼみに引っ掛けるリブが付いています。先ずはここを確実に引っ掛けます。ここをきちんとはめていないとパネルがはまらなかったり、閉じたあとでパネルが浮いてきたりします。
続いて液晶パネルを画面上方向に押しながらケースにはめ込みます。
ちなみにこのiPhoneの場合、落とした際に右上の隅が歪んでしまっておりすんなりとは閉まりませんでした。
一旦液晶を外して歪んだ部分を小さなペンチで補正して組み直す羽目になりました。
※写真は潰れた箇所(コーナー部分)をペンチで広げて補正したあとです。
無事にパネルをとじて、2本の星型ネジを締めこんで物理的な修理は完了です。